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『Q』 [本]

久々に本のことを。
このところ仕事がなくて(それもとても困るのですが)、この大作を一気に読むことができました。

『Q』上・下╱ルーサー・ブリセット著╱さとうななこ訳╱東京創元社
Q上下.jpg

新聞広告で見て、即買ったのですが、上下巻で2段組、各300ページ前後です。時間がないとなかなか……。

しかし、ルーサー・ブリセットって何者? 帯には「イタリア発」ってあるけれど、英語圏の名前みたいだし。「エーコの著作ではないかと話題を呼んだ」歴史エンタテインメント! イタリア好き歴史好きにはたまりません! 

訳者あとがきによると、1994年にイタリアのアーティストたちによってルーサー・ブリセット・プロジェクトというプロジェクトが立ち上げられ、それは誰でも自由に参加できるが、各人の作品を「ルーサー・ブリセット」の名前で発表することが唯一の決まりごとというものだったそうです。
実名を明かさないことで、作者名によって作品の価値が決まるという昨今の商業主義的傾向を批判するという主旨があったということです。

16世紀、ヨーロッパ。宗教改革の時代から物語は始まります。当時司教で後に枢機卿となるジョヴァンニ・ピエトロ・カラファの密偵Qがカラファに宛てた手紙(報告書)と、常に反権力に立って戦う主人公の「私」の物語と回想とが、日付と場所とともに進みます。
主人公は彼の最初の戦いである農民戦争の時に、師のトマス・ミュンツァー宛の手紙に「コヘレトーQoe`let」(ヘブライ語で「伝道者」の意)と名乗る、偽の情報で農民戦争を崩壊に導くように謀った者の存在があることを知ります。
その後、再洗礼派の戦い、イタリアでカトリックの禁書を広めることでカトリック権力に対する戦いへと進んでいくなかで、主人公はQの正体を、Qは主人公の正体をつきとめようとしていくことになるのです。
後半に入り、主人公とQの距離が徐々に近づいていくようになると、もうおもしろくて止まらなくなります。

電車内で読んでいて、何度か乗り過ごしそうになりました。
カトリック、ルター派、再洗礼派の関係、教皇とローマ皇帝カール5世、フランス王、イタリアの諸国の関係など、複雑になるところはありますが、物語には入り込めてとても面白かったです。
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